子どもの頃、いつもNHKの落語番組を観ていた。
「 目黒の秋刀魚 」も、そんな落語噺のひとつだった。
オチは、「 秋刀魚は目黒に限る 」。
内陸の田舎で育った。
売られる生食の青魚は多くはない。
サバにしろ、秋刀魚にしろ、塩物ばかり。
秋刀魚は、噺になるほど美味しいものもだろうか … そうおもった。
大学生になって、当時流行りはじめた炉端焼きの店で、初めて生の秋刀魚を食した。
囲炉裏で焼かれた秋刀魚が、カウンター越しに、大きなシャモジに乗せられて出された。
薄塩の秋刀魚を、大根おろしと醤油で食べる
言いようもなく、美味しかった。
そして、実家に帰るたびに、秋刀魚やブリカマを七輪で焼き、両親に食べさせた。
今年は、秋刀魚が不漁でべらぼうに高い。
佐藤春夫の「 秋刀魚の歌 」が浮かぶ。
さんま、さんま、さんま 苦いか 塩つぱいか …
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