焼きそばの想夫恋 角 弘起社長との面談所感

- 「辛抱」「認耐」の道 - Vol.1

 

はからずも、株式会社 想夫恋 代表取締役社長 角 弘起 氏とお話しをさせていただく幸運に恵まれた。

 

愚生にとっては、まことに感悦至極な出来事であった。

 

- 面談に至った経緯 -

この機会を作っていただいたのは、現在福岡市でビジネス支援の場に身を置いておられる  Y・F 氏 である。

F氏とは、数ヶ月前、さる会合でお会いしてから、仕事に関連してのお話しなどをさせていただいているのだが、四方山話の中で、愚生の「想夫恋」に対する想いを知ったF氏が、藪から棒に、「近々、角社長とお引き合わせしましょう。」と。

 

言葉が出なかった。想夫恋の焼きそばを語っただけなのに、いきなり、そのトップ経営者に会わせるとおっしゃる。

 

F氏は語った。

若い頃、さる金融機関の日田支店に勤務し、想夫恋の角社長と知り合い、以来、交誼を続けている。そして、角社長が、時折、社用で福岡市に来ておられると。

 

そう言うことなら、「是非お願いします。色紙を用意してお待ちしていますよ。」とお願いしつつも、F氏には申し訳ないが、半信半疑。角社長が、見も知らぬ男と、そんなに簡単に会っていただけるのであろうか…と。

 

しかし、その日は直ぐに、そして突然に訪れた。

F氏から、「もうすぐ、角社長と会うようになっている。時間はとれますか?」との電話。

そして、大変にご多忙の中、わざわざオフィスまで足をお運び頂いたのであった。

 

- あさましき人々と対峙し -

角社長から、当然のことながら、焼きそばのこと、そして、経営者としてのお考えなどを聴かせて頂いた。

 

若い頃、1日800食以上もの想夫恋焼を焼いたことや、二代目としての数多くの苦労。

 

そこで私が感じたことは、いい意味での「あきんど魂」ではなく、あまりよろしくない意味での「商売人根性」、すなわち、「想夫恋」を取り巻く様々な人々の中にあった金目当ての不道徳、不心得。ラーメン店はもとより、製麺屋、精肉店などで横行する、盗作、横流し、着服などの不正、人間のあさましさである。

 

それは、時を経た現在でも本質的にはさして変わっていないのであろう。

人は突然に、高い倫理観を持ったり、道徳的観念を培養し、精神性を高めたりはしないものである。

子は、親の背中を見て育つ。そして、類を以て集まる。「日田焼きそば研究会」を見ればよくわかる。

- 「辛抱」「認耐」の道 -

さて、当初私は、これを書くつもりはなかった。

 

30年以上、想夫恋焼を食し、強い思い入れを持っている。そして、好き勝手に「想夫恋」及びこれにかかる諸事について書き連ねてきた。

そんな私が、今般の出来事を書くことによって、想夫恋の角社長が、つまらぬ輩から誹謗中傷されることがあってはならないと思っていたためである。

 

そう思いながら、角社長から頂戴した色紙をしみじみと眺めた。「辛抱」と「認耐」の言葉。

 

「辛抱」は、つらさをこらえること。また、つらい仕事を我慢して勤めること。

角社長の二代目としての様々なご労苦からの言葉であろう。

 

そして「認耐」。何故、「忍」ではないのか。そう思った。忍に言偏がつけば、認となる。「認」は、みとめる、それと見定め許すの意がある。

 

そうなのだ。角社長は、あさましき商売人たちと対峙しながらも、かれらを、それと見定め許す、「それと見定め」である。そのような精神の高みに到達しておられての言葉なのである。

であるから、敢えて「認」を用いておられると悟った。

 

角社長は、先代の角安親氏から、経営者として様々な薫陶を受け、併せて寛容さを伝授された。

一方、想夫恋の模倣店店主は、卑しさ、あさましさを受け継いだ。

 

両者は、全く異なる次元に存在する。不埒な輩が何おかを言い立てたとしても、その心性の卑しさ故のこと、歯牙にかけることもないであろう。

 

そう思った時、この所感を記す決意をしたのである。

 

       角社長(中央) F氏(左)
       角社長(中央) F氏(左)

 

ここであらためて、申し上げておかなければならないが、私と株式会社想夫恋との間には、何の利害も存在しない。また、日田には、親戚・縁者はもとより、友人・知人もいない。私が想夫恋に賛辞を呈しなければならない理由など全くもって存在しない。

 

あるのは、想夫恋の焼きそばが大好きであること。想夫恋の角社長の持っておられる経営者としての哲学・理念に敬意を抱いていること、これだけである。

 

今後、この面談の所感を記していこうと思っているが、その内容は、角社長が語られた言葉ではなく、あくまで私の想念であることを重ねて確言するとともに、今般、仲介の労をおとりいただいたY・F氏に衷心よりの感謝を申し上げこの稿を閉じる。

 

- 平成24年7月 -

 

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