癒しの真空管 - AUDIO SPACE AS-3i と Ming Da MC-7R -

愛用の真空管アンプ AUDIO SPACE AS-3i
愛用の真空管アンプ AUDIO SPACE AS-3i

 

真空管アンプとデジタルアンプには、いくつか大きな違いがあります。

 

先ず、その音色です。

デジタルアンプと違って、とても優しくて柔らかい。

なので、聴き疲れしません。

 

次に、真空管を替えることで、音色が変えられること。

デジタルのアンプには、出来ないことです。

 

 

そんな真空管アンプの主役は、何と言っても真空管。

球(たま)あるいは、チューブなどと呼ばれます。

 

近年では、ロシアや東欧、米国、中国などで作られていますが、球を変えると音色も変わります。

 

部屋の照明を落とし、ぼんやりと赤く灯る真空管を眺めながら聴く音は格別です。

 

 

- アンプは、AUDIO SPACE AS-3i と Ming Da MC-7R -

 

AUDIO SPACE社、Ming Da社ともに、中国上海の企業。その製品の特徴は、何しろコストパフォーマンスでしょう。

 

AUDIO SPACE AS-3i は、管球式プリメインアンプSAシリーズの下位モデル。

Ming Da MC-7Rは、コントロールアンプ。

 

AS-3iは、プリメインアンプなので、もちろん単体で使えますが、MC-7Rを通して方が、よりクリアな音色になります。

 

 

<「 後悔の3,000円中華アンプ… - Lepai デジタルアンプ LP-2020A ー 」はこちら>

 

- 愛用の真空管たち -

   プリ管  パワー管   整流管
   プリ管  パワー管   整流管

 

真空管のことを書き始めると長くなりますので、極々簡単に述べます。

 

真空管には、非常に多くの種類がありますが、オーディオ真空管アンプでは、必ず「プリ管」「パワー管」および「整流管」が使われます。

 

 

【 プ リ 管 : 写真 左 J J  ECC 83S

プリ管の役目は、CDプレイヤーなどで拾われた音楽信号の電圧を増幅することです。

プリ管で増幅された音楽信号では、パワーが足りないためスピーカを鳴らすことはできません。

このため、プリ管で増幅された音楽信号は、パワー管で増幅されます。

 

 

【 パワー管 : 写真中央 electro-harmanix KT 88 EH 】

パワー管は、電力増幅管とも呼ばれます。一般的には、プリ管や整流管よりもサイズが大きく、真空管アンプで最も目立つ位置に実装されています。

 

【 整 流 管 : 写真 右 SOVTEK 5U4G 

整流管は主に、交流を直流にするために使われます。

 

 

プリ管、パワー管、整流管それぞれに多くの種類がありますが、互換性があるものなら、異なる規格のものでも替えることができます。

 

このため、真空管の種類、製造メーカーなどの組み合わせによって、音色は、千差万別。

音を自分好み変えられる、これが真空管アンプの最も大きな魅力です。

 

- 真空管は、マッチド真空管を使う -

    Mullard EL34 クワッド
    Mullard EL34 クワッド

 

真空管のアンプで、例えば、2本のプリ管、4本のパワー管が装着されている場合、その2本、4本の真空管は、それぞれ、マッチドペア(2本マッチ)、マッチドクワッド(4本マッチ)と呼ばれるものが使われます。

 

一般的に「マッチド」とは、同一規格で、かつ同一ブランドの真空管であって、販売店でエージング、測定および選別され、電気的特性が揃ったものをいいます。

 

このため、大抵は、真空管1本の価格より、マッチドペアの方が高く、クワッドは更に単価が高くなります。

 

 

右の写真は、ムラードEL34のマッチドクワッド。箱に電気的特性を示すシールが貼られています。

 

 

- 真空管を磨いて、取り替えて… -

AUDIO SPACE AS-3iでは、

 プリ管  ◇ 12AX7 ( ECC83 ) × 1本

      ◇   12AU7 ( ECC82 ) × 2本 

 パワー管 ◇ KT88(又はEL34など)× 4本

 

Ming Da MC-7Rでは、

 プリ管  ◇ 12AX7 ( ECC83 ) × 2本

      ◇   12AU7 ( ECC82 ) × 2本 

 整流管  ◇ 5Z3 × 1本

 

 

真空管の値段は、ピンキリです。

私は、ビンテージ物などは使いませんで、普及品を使っています。

 

プリ管は、1本で1,000 ~ 2,000円程度、パワー管は、1本3,000円~。マッチド、クワッドなので、さらに高くなります。

 

コントロールアンプとメインアンプ全部の真空管の値段は、3~4万円ほど。

 

 

- 真空管は、ガラスと金属の芸術品 -

       J J  ECC 83S 
       J J ECC 83S 

 

ロシアに東欧、米国、中国製…etc、10年以上前に、買い集めた物ばかり。時折、球を取り出して磨きます。

 

透明のガラス管に包まれた、細かで精緻な金属部品。

 

子供の頃、たまにテレビの調子が悪くなると、近所の電気屋のおじさんがやって来ます。

 

テレビの裏側のねじを回して蓋を外す。

でっかいブラウン管の下に並ぶ大小のガラス部品。

「真空管」って言う物なんだよ…と教えてくれました。

 

間近に見て、触ることができた科学技術。今は、全てブラックボックスの電子部品ばかり。

EFI、EGI …インジェクションより、やっぱり、SOLEXツイン、WEBER3連装が好き。

 

そんな昔を思い出しながら、球を差し替えて … 

 

景色が変わり、音も変わる。こういうのが楽しい。