山の燗酒、酒タンポとFire-maple ケトル ー 山道具の棚卸し 連々話 vol. 20 ー

 

山で飲む日本酒はひとしお美味しい。

冷やの地酒はもちろん、秋、冬のキャンプなら、燗酒は格別だ。

 

燗酒の温め方は、一般的に、湯煎、直火、電子レンジの三つだろう。

 

山で電子レンジはないが、家でも日本酒をレンジで温めることはやんない。美味しくないのよ。

 

燗酒なら湯煎がいい。

キャンプに燗徳利を持って行くのは面倒なので、もっぱら酒タンポを使っている。

 

 

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<お燗なべ>   
<お燗なべ>   

 

 

昭和の時代、酒を出す店は、たいていお燗鍋を置いていて、熱燗、上燗、ぬる燗など客の好みに合わせて酒タンポで燗をつけてくれた。

 

カウンター越しに、つけた酒を升に入れたコップにトクトクと注いでくれた。 

 

 

燗の加減の上手さが売りの店もあったなぁ…

 

今でも、古い店では見かけることがある。

 

 

酒タンポ、チロリとも呼ばれるが、私のイメージは、チロリ=銅製・すす製、タンポ=アルミって感じ。

 

アルミ製は、安価で扱いやすいので山使いに向いているが、軽いため安定感に欠ける。

倒してしまうこともしばしば。

 

銅やすず製のチロリは、保温性がよいので燗酒にはぴったり。それなりに重量があるので据わりもよいが、アルミ製と比べるとかなり高価だ。

 

 

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ー Fire-maple ケトル 1.5L FMC-XT2  ー

 

 

秋、冬のキャンプ、地酒を酒タンポに注ぎ、ケトルの湯に入れる。

 

昔は、PRIMUSのライテック・ケトル0.9L(写真左 重量166g) を使っていたのだが、高さは8cmほどで、高さ11cmの酒タンポには一寸足りない。

 

で、少し大きめのFire-maple ケトル1.5Lを購入(写真右)。

 

この「Fire-Maple」なるブランド、いわゆる中華ブランドで近年目にするようになった。

重量は、底部に熱交換器がついているため、308gとかなり重い。

 

材質は、Primusと同じ硬質アルマイトアルミだが少し色が白っぽい。

無骨感漂うPrimusの方がカッコイイ。

とはいえ、底部の熱交換器の威力は相当なもので、1.5Lの水があっという間に沸き立つ。

 

このケトル、たぶん、ユニフレームの山ケトル 1500のコピーなのだろうが、価格は三分の二。まぁ、悪くない。

 

 

 

一合、二合タンポともにが案配よく収まる。

カワハギの干物なんかを炙りながら、コップの熱燗をあおる。至福の一杯だ。

 

 

今宵は、Fire-maple ケトルをイワタニのカセットフーエコジュニアに乗っけ、

タンポで燗をつけた。

 

 

酒は、博多駅の住吉酒販で買った「独楽蔵(こまぐら)」、無農薬の特別純米。

燗酒に向いた久留米の地酒だ。

 

先ずは升に入れた国産ソーダガラスのコップで一杯。

あては、剣先スルメであります。

 

 

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