求菩提山 天狗たちの森へ / 西海道古代史の迷路 

 

 

 

福岡から大分方面に向かい、行橋を過ぎると、車窓に筑紫平野とは山容の異なる峰々が展開する。

 

 

その中に、かつて豊前修験道のメッカであった「求菩提山」がある。 

 

 

豊前市求菩提と築上郡築上町寒田の境界に位置する標高782メートルの山で、耶馬日田英彦山国定公園に含まれる山の一つである。 

 

 

2月23日、そんな求菩提山を歩いた。

 

西の英彦山・宝満山とともに信仰の山だが、趣は随分と異なる。

 

しっかりと美しいまでに組み積まれた石段や石垣からは、高度な技術力が感じられる。

 

様々な最先端技術をもって、北部九州に渡来した秦一族が作ったものなのか… 

 

この山に住んだと伝わるカラス天狗の姿は、古代ユダヤ教徒の信仰を思わせる。  

 

滑落しそうな急斜面の山腹を、巻くように刻まれた狭小な修験の道。 

いにしえの修験者たちが峻烈な修行を行ったであろう石の山、天狗の森。

 

その背後には、標高1,130mの犬ヶ岳がそびえる。鬼が住むと言われた神の山である。

 

求菩提山は、今もなお、異界の存在を感じさせる山だ。

 

 

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