感謝するなら金をくれ / ふと想起される言葉 vol. 31

 

 

東京女子医科大学病院は、6月11日の団体交渉で、労働組合に対し、医師、看護師、検査技師から事務職まで全職員の夏のボーナスを支給しないと通告した。

 

これに先立ち、同病院は、新型コロナの第1波を受けて、外来患者が大きく減少したため職員の一部を自宅待機させ、その期間の給与は4割減を行っていた。

 

こうしたことにより、都内の系列病院も含めて、全体の約2割に相当する400人が退職の意向を示したという。

 

 

東洋経済ONLINE「東京女子医大病院「400人退職」の裏にある混沌」はこちら>

 

 

なんとも、ひどい話だ。

そして、この病院に限らず、他の病院でもこれに類することが行われているに違いない。

 

いくらコロナの感染患者受入の病床数を確保したとか、増やしたとか言ったって、

スタッフがいなければただの箱だ。

今後、医療に関わる業種がブラックだと敬遠され、減少してしまうことが何より心配だ。

 

アベノマスク契約総額は866億円。

持続化補助金769億円は、経営実態の乏しいサービスデザイン協議会が受託し、20億を中抜き。

1.7兆円の「GO  TOキャンペーン」の委託費は1,895億円。

 

莫大な国費が、困っている人々や事業者に使われることなく、企業や団体ばかりが濡れ手に粟のボロもうけ。

 

今回のコロナは、まさに国難。愚かな指揮官ために、国民は塗炭の苦しみに、ただもがくばかりだ。

 

 

ー フライデーオベーション ー

 

この4月、福岡市の高島市長は、新型コロナウイルス対策のため、最前線の現場で働く医療・介護関係者などに向けて、毎週金曜日の正午に感謝の拍手を送る取り組みを企業などに呼びかけた。

 

 

写真は、地元メディアA社がこれに賛同し、感謝の言葉を記したフリップを掲げている様子だ。

 

 

15年ほど前の話だが、このA社社員の40歳の年収が1,200万円と聞いて、腰を抜かしそうになった覚えがある。

 

 

 

ちなみに、厚生労働省が発表している『平成30年賃金構造基本統計調査』によると、中小企業の場合、40~44歳(男性)の年収は、412.8万円だ。

 

常に、九州の企業人気ランキングのベスト10内の九州電力の場合、

 2018年 年収:¥ 7,771,045円  平均年齢:43.2歳 平均勤続年数:23.3年

 

九電は、中小企業の約2倍、A社の年収は、人気の超優良企業の九州電力よりも4百万円以上多く、中小企業の約3倍だ。

 

高島市長をはじめ、今回のコロナ渦で何の貧苦もない階層の人たちは、こうしたことが大好きだ。ゆえに、何かしら、偽善的儀式に見えてしまう。

 

感謝の気持ち持つことは大事だし、フライデーオベーションを否定するつもりはない。

がしかし、先ずは市民に対し、感染者や医療従事者等に対する偏見や差別防止の啓発と、そのための行動をとるべきじゃないの。

 

 

 

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