安倍総理の辞意表明を受け、自民党総裁選挙で世はかまびすしい。
いろいろ言ったって、菅官房長官で決まり。
これから先は、茶番劇だ。
万が一、そうならなくても、ニッポンの政治がドラスティックに変わることはない。
見るべきところは、方法と結果のみ。
野次馬根性は、何も生み出さない。
そういえば、安倍総理と言えば、歴代総理の中で最も多く野次を飛ばした総理じゃないのかな…
ところで、安倍総理が目をかけていた政治家の一人に、2010年の福岡市長選挙で市長となった高島宗一郎氏がいる。
選挙後、福岡財界のさる方に尋ねた。
” どうなんでしょうね ? ”
” なっちゃったんだから…” 記憶に残る言葉だ。
高島市政の特徴は、安倍総理、麻生副総理の権力を背景とした、いわば、虎の威を借る手法だ。
総理に媚び取り入り、官邸の意向をちらつかせ、高姿勢で国の省庁に言うことを聞かせてきた。
象徴的な出来事がある。
2017年と2018年の2年続けて、ダボス会議に出席したことだ。
世界経済フォーラムは、ビジネス、政治、アカデミアなど社会におけるリーダーたちが連携することで、世界・地域・産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことを目的とする国際機関だ。
年次総会がスイスのダボスで行われることから「ダボス会議」と呼ばれている。
毎年、そうしたリーダーたちが一堂に会し、幅広いテーマで討議することから、各界から注目され、世界に強い影響力を持っている。日本からも首相や著名な経済学者などが参加してきた。
こうした会議に、さしたる実績もなく、恥ずかしいほどの見識しか持っていないアジア日本の一首長が出席できるはずがない。安倍・麻生ラインの力が強く働いたのだろう。
安倍総理が退陣すれば、今までのような手法はほぼ使えなくなる。
そして、それだけではない。
これまでそのやり方に憤激を覚えつつも、官邸の意向と言われ、しぶしぶ従ってきた霞ヶ関の各省庁のしっぺ返しが始まるだろう。
霞ヶ関は、虎の威を失った一市長に忖度も面従腹背もしなくなる。
霞ヶ関だけではない。
他にも、その不遜・傲慢な振る舞いを、腹に据えかねていた人間は決して少なくない。
これから先、高島市政は、厳しい時代を迎えることになるだろう。
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