万人の万人に対する戦い / ふと想起される言葉 vol. 48

<トマス・ホッブズ 出典:ウィキペディア> 
<トマス・ホッブズ 出典:ウィキペディア> 

 

 

トマス・ホッブズは、人間の自然状態を、決定的な能力差の無い個人同士が互いに自然権を行使しあった結果としての『 万人の万人に対する戦い 』であるとした。

 

 

そして、この混乱状況を避け、共生・平和・正義のための自然法を達成するためには、「 人間が天賦の権利として持ちうる自然権を、国家に対して全部譲渡するべきである。」と述べ、社会契約論を用いて、従来の王権神授説に代わる絶対王政を合理化する理論を展開した。

 

 

 

 

関西学院大学名誉教授の鎌田康男氏は、アルトゥル・ショーペンハウアー『 意志と表象としての世界 』の解説序文の中でこう述べている。

 

 

ー 現代とは、共有されるべき規範を喪失し、自分以外に依拠することのできる価値を持たず、それが自由の名の下に享楽的消費と孤独な空白感へと分極化してきた時代であると考えている。

 

自己中心的享楽主義によって人と自然への配慮を忘れた現代は、人間環境、自然環境を加速度的に破壊してきた。

 

しかしほかならぬこの自己中心的享楽主義が同時に、大衆消費を活性化する故に許容され、歓迎され、結果的に自然環境と人間環境への負荷を増大する。 ー

 

 

今の日本、国家の規範は失われ、無能で無策な政府によって、ある意味、民衆は自然状態にあると言える。

 

まさに " 万人の万人に対する戦い "  そして『 愚者の楽園 』でもある。

 

 

自己中心的・享楽的な<愚者>に憤りながら生きるか、

それとも、自らも<愚者>となって楽園の生活をたのしむか …

はたまた、諦念か、達観か … 

 

 

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