” 言葉が踊っている ”
かつて、私が書いたものに対し、上司から極めて厳しい指摘を受けたことがある。
美辞麗句ばかり、内容は空疎で具体性もない…と言うことだった。
” 全力を尽くし、万全の対策を検討する ”
" 適切に対処する"
” 躊躇なく行う”
総理は、こんな言葉を並べたてる。
そしてまた、
” 緊張感をもって対応する必要がある ”
今、この時、なに言ってんの…
前総理が何度も使っていた手垢の付いたようなフレーズ。
このお方、自分の言葉をもっていない。
平成25年12月、指定暴力団工藤会壊滅の頂上作戦の最中、福岡県議会で福岡県警に対し、その取組みの成果を問う質問が出された。
これに対し、当時の樋口真人県警本部長は、答弁を一切部下に書かせることなく自ら筆を取った。
その答弁は、強い決意と熱い思いに満ち、答弁時間をオーバーするほど。
最後は、最前線で昼夜を分かたず働き、まさに ” 命がけ ” で職務に奮闘する警察官たちを労い、励まし、そして感謝する言葉でしめくくられた。
答弁が終わると、議場には大きな拍手が沸き起こり、しばらくやまなかった。
そして、それを聞いていた警察官たちは奮い立ち、中には涙するものもあったという。
東郷平八郎然り、山本五十六然り。
真の指揮官・リーダーの言葉とは、そうしたものだ。
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