言葉が踊っている … / ふと想起される言葉 vol. 51 

 

 

 

” 言葉が踊っている ”

 

かつて、私が書いたものに対し、上司から極めて厳しい指摘を受けたことがある。

 

美辞麗句ばかり、内容は空疎で具体性もない…と言うことだった。

 

” 全力を尽くし、万全の対策を検討する ”

" 適切に対処する"

” 躊躇なく行う”

 

総理は、こんな言葉を並べたてる。

 

そしてまた、

” 緊張感をもって対応する必要がある ”

 

今、この時、なに言ってんの…

 

前総理が何度も使っていた手垢の付いたようなフレーズ。

 

このお方、自分の言葉をもっていない。

 

 

 

 

平成25年12月、指定暴力団工藤会壊滅の頂上作戦の最中、福岡県議会で福岡県警に対し、その取組みの成果を問う質問が出された。

 

これに対し、当時の樋口真人県警本部長は、答弁を一切部下に書かせることなく自ら筆を取った。

 

その答弁は、強い決意と熱い思いに満ち、答弁時間をオーバーするほど。

 

最後は、最前線で昼夜を分かたず働き、まさに ” 命がけ ” で職務に奮闘する警察官たちを労い、励まし、そして感謝する言葉でしめくくられた。

 

答弁が終わると、議場には大きな拍手が沸き起こり、しばらくやまなかった。

そして、それを聞いていた警察官たちは奮い立ち、中には涙するものもあったという。

 

東郷平八郎然り、山本五十六然り。

真の指揮官・リーダーの言葉とは、そうしたものだ。

 

 

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