1億総白痴化… / ふと想起される言葉 vol. 53 

 

 

「一億総白痴化」は、1958年、社会評論家の大宅壮一氏が生んだ言葉だ。

 

「テレビばかり見ていると、人間の想像力や思考力を低下させてしまう」といった意味合いの言葉だ。

 

 

もとは『週刊東京』1957年2月2日号における以下の論評、

 

ー テレビに至っては、紙芝居同様、否、紙芝居以下の白痴番組が毎日ずらりと列んでいる。

 

ラジオ、テレビという最も進歩したマスコミ機関によって、『 一億白痴化運動 』が展開されていると言って好い。 ー

 

 

この『 一億白痴化 』の中程に「総」が付けられて広まり、流行語となったのである。

 

 

 

かつて仕えていた上司は、テレビを観なかった。

” あんなもの観たって、得るものはない ” と言って新聞しか読まなかった。

 

別の上司は、テレビを使ったアメリカの占領国愚民化政策の一環だと言った。

 

2007年、アメリカの情報公開制度で公開された第二次世界大戦終結後における中央情報局(CIA)のスパイ協力者リストには、正力松太郎、読売新聞、日本テレビ放送網、朝日新聞社の緒方竹虎が記されており、今日も愚民化政策は続いていると言った。

 

それはさておき、今また、コロナによる緊急事態宣言の再発令で家にいる時間が増えているが、テレビは必要な情報収集のみとし、できるだけ観ないほうがいい。

 

大宅壮一氏が警鐘を鳴らした60年前よりはるかに酷い状況だ。

心が荒むことはあっても、豊かになることはまずない。

 

 

 

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