ー 想夫恋焼とラーメンと 『 AI × ロボティクス 』 ー

 

 

 

” ラーメンを作るのは難しくない ”

 

 

こんなことを書くと、ラーメン業界やラーメン通の方々からの反論必死だろう。

 

で先ず、「作る」を定義するため、ラーメンづくりを三つのプロセスに分けてみる。

 

 ① ラーメンの創作・創造

 ② ラーメンづくりにおけるバックヤード

 ③ ラーメンのオペレーション

 

 

 

① 創作・創造

   どのようなラーメンを作るかといった構想の段階から、スープ、麺、具材などの選択・

   選定を経てそれらを決定し、造りあげるまでの段階

 

② バックヤード

   スープ、麺、具材など材料の調達と日々の仕込み

 

③ オペレーション

   客の注文を受け、調理し、提供する最終段階

 

 

言うまでもなく、ラーメンづくりの①~③までの全体を考えるならば、それは簡単なことではない。

 

今回、ここで言うところの「作る」は、③のオペレーションのみとする。

 

 

ラーメンの場合、ひとたびラーメンが完成し、バックヤードまでが完了すると、オペレーション自体はさして難しくない。

 

客から注文、麺の茹で、スープの準備、麺の湯切り、トッピングなどのオペレーションは、勘のいい人間なら、短期間でも習得できる。

すなわち、正社員ではないアルバイトでもオペレーションができると言うことだ。

 

ところで、2013年のブログに次のようなことを書いている。 

   ◆ 一風堂:(株)力の源カンパニー

             売上 約 97億円 従業員 183名 

   ◆ 一欄:(株)一欄

                 売上 約 58億円 従業員     91名  

   ◆  筑豊ラーメン山小屋:ワイエスフ-ド(株)   

                     売上 約 28億円 従業員 161名                  

                                                           <「福岡の会社情報2013」より>

 

ちなみに一欄の場合、2017年の売上は280億円、社員は280名、アルバイトは6,805名(2018年)。

 

アルバイトでもオペレーションできるようマニュアル化し、徹底した簡略化を行ってきたことが、成長要因の一つであることは間違いない。

  

 

さて今日、各分野において、AIの導入が急速に拡大している。

 

聞くところによれば、ラーメン業界においても「AI×ロボティクス」を活用し、サイネージを使ったオーダーから、調理、配膳、下膳までの全てのオペレーションが実用段階まで来ているという。 

 

これにより、チェーン店間の味のばらつきがなくなり、同じ味、同じ出来のラーメンが食べられるようになる。

 

年内にも、そんなラーメンが食べられるはずだ。

将来、ラーメン業界でも、「AI×ロボティクス」の店と、従来型の店に二極化するだろう。

 

それじゃ、想夫恋焼はどうなのか?

 

これは無理だ。

ラーメンとの決定的な違いは、焼き・焦がし・ほぐし・合わせだ。

いかに「AI×ロボティクス」を使っても、あのダイナミックなオペレーションが自動化できるとは思えない。

 

かつて、リンガーハットが福岡に進出した頃は、セントラルキッチンで野菜を炒めていた。

鉄の中華鍋で炒めたキャベツやモヤシは美味しかった。

機械化が進むにつれ、味が落ちていったような記憶がある。

 

想夫恋焼は、孤高の焼きそば。

「AI×ロボティクス」なんてものに馴染むものじゃないな。

 

 

 

 「想夫恋のブログ」はこちら>

 

<出典:コネクテッドロボティクス(株)>