考えてみれば「かさばらない男」って、えがたい存在じゃないだろうか。
男はどちらかと言えば、自分を実力以上にかさばらせて見せたい動物だ。
ー 上野 千鶴子 ー
好きだな、この言葉。
まぁ、男女関係ないと思うけど、やっぱり男の方が面倒くさい。
そう言えば昔、「濡れ落ち葉」なんて言葉が流行った。
会社にいた時は、それなりの役職に就いてて、ふんぞり返っていた亭主。
ところが、定年退職してみると、仕事も趣味もない。仲間もいない。
住んでる所でも、地域活動もやったことがないし、何にもできない。
で、妻に頼りきって離れようとしないの男のことを言った。
※ ※ ※ ※ ※
実際、九重に登ったときに、そんなことを思い起こさせる登山者に会った。
60代とおぼしき7~8人のグループ。女性ばかりの中に男が一人。
有名アウトドアブランドの衣服、下ろし立てのパンツには折り目が付いている。
ザックもシューズも高級品でピカピカ。
片や女性たちと言えば、年季の入った出で立ち。
わいわいガヤガヤ、楽しそうに登っていく。
その後を、少し遅れて、男が徒然なくついて行く。
そんな光景を見て、家じゃな~んにもすることがない亭主を、かみさんが引っ張り出してみたんだろうな…なんて思った。
しかし考えてみると「濡れ落ち葉」なんてカワイイもんだよ。
何しろこの頃じゃ、キレる老人、モンスター高齢者だからね。
何はともあれ、飄々とかさばらずに生きたいものだ。
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