かさばらない男 / ふと想起される言葉 vol. 93

 

 

考えてみれば「かさばらない男」って、えがたい存在じゃないだろうか。

 

男はどちらかと言えば、自分を実力以上にかさばらせて見せたい動物だ。   

    

        ー 上野 千鶴子 ー

 

 

 

好きだな、この言葉。

まぁ、男女関係ないと思うけど、やっぱり男の方が面倒くさい。

 

 

そう言えば昔、「濡れ落ち葉」なんて言葉が流行った。

会社にいた時は、それなりの役職に就いてて、ふんぞり返っていた亭主。

ところが、定年退職してみると、仕事も趣味もない。仲間もいない。

 

住んでる所でも、地域活動もやったことがないし、何にもできない。

で、妻に頼りきって離れようとしないの男のことを言った。

 

 

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実際、九重に登ったときに、そんなことを思い起こさせる登山者に会った。

 

60代とおぼしき7~8人のグループ。女性ばかりの中に男が一人。

 

有名アウトドアブランドの衣服、下ろし立てのパンツには折り目が付いている。

ザックもシューズも高級品でピカピカ。

 

片や女性たちと言えば、年季の入った出で立ち。

わいわいガヤガヤ、楽しそうに登っていく。

その後を、少し遅れて、男が徒然なくついて行く。

 

そんな光景を見て、家じゃな~んにもすることがない亭主を、かみさんが引っ張り出してみたんだろうな…なんて思った。

 

しかし考えてみると「濡れ落ち葉」なんてカワイイもんだよ。

何しろこの頃じゃ、キレる老人、モンスター高齢者だからね。

 

何はともあれ、飄々とかさばらずに生きたいものだ。

 

 

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