リケジョと天ぷら / ふと想起される言葉 vol. 62

 

 

今日は、天ぷらの話。

 

天ぷらと言っても、衣を付けて魚介や野菜を油で揚げたものではなく、魚のすり身を揚げたもの。

 

一般的には、揚げかまぼこと称される。

 

ちなみに、関西でもこれを ” てんぷら ” と呼び、いわゆる天ぷらは ” つけあげ ” という。

 

ご案内のとおり、福岡県内の多くのうどん屋では、丸い揚げかまぼこを乗せたものを、「てんぷらうどん」「丸天うどん」などと呼ぶ。

 

学生の頃、そんな揚げかまぼこを売る「てんぷら屋」でアルバイトをしていた。

 

商業施設の一角にあった店の中で、フライヤーを使い、魚のすり身をそのまま丸く揚げた丸天やゴボウやキクラゲを加えたものなど売っていた。

 

 

開店前に社長がやって来て、エソなどのすり身をこねてフライーヤーで揚げる。

その際、白い粉末を加える。てんぷらの色味をよくするもので、てんぷらをきつね色にしてくれるとのことだった。

 

社長は、” グリコース  … ? ” とか何とか呼んでいたような …

 

そんなことをふと思い出して、先だって書いた職場のリケジョA氏に聞いてみた。

彼女は、” 専門外なのでよく分からないが同僚女性のB氏ならきっと知っている ” と言った。

 

そのB氏は、A氏と同じ旧帝大出身。農学部農芸化学科を卒業、同大大学院で遺伝子資源工学を専攻し、食品関係にも精通しているそうだ。

 

程なくB氏がやってきて、すり身に加えたものは「グルコース」だと教えてくれた。

ついでに、その化学的・物理的性質、よく聞くグリコーゲンとの違いをなどを、化学式や構造式も交えて事細かに語ってくれたが、もうその辺になるとついていけない。

 

B氏もまた、真正のリケジョか …

 

感嘆と尊敬 …

お二方とも、まさに ” a walking chemistry dictionary って感じ。

 

それにしても、身近にこうした方々いるってのはラッキー。

また、教えてもらっちゃおう。

 

 

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